未来を語る場に未来が存在しない悲しさ(でも大満足!)

シンクタンク日本総合研究所主催の“世界を知る力”というフォーラムに行って来ました。
場所は東銀座の時事通信ホール。
司会役は寺島実朗、パネラーは西部邁佐高信



[撮影禁止だったのでフォーラム中の写真はナシです。平均年齢55歳って感じで、オッサンばっかりでした。]

いやしかしホントにオモシロかったです。
あんなに笑うことができる話しを聞けるとは、夢にも思っていませんでした。


意外だったのが西部氏でした。
私は昔からこの人の話し方が好きで、東大教授をやっている頃からテレビ出演に際しては必ずチェックしていました。
でもこの人、頭はイイけれど言っていることが難解で、しかもワンセンテンスが長いものだから、結局ナニ言っているのか解らなかったんです。
本もメチャクチャ難しいですしね。

でも、今回のフォーラムではとても解りやすい言葉で、しかも絶妙な加減に皮肉を交えたユーモアたっぷりの話しをしていました。

西部氏からは60年安保闘争に対しての、今に至っての思いなども話しが出ましたが、それを聞きながら20年以上前の朝まで生テレビの冒頭で、田原総一郎が『(安保闘争で亡くなった)樺美智子さんは西部さんの恋人だったという話しもありますが…。』と言われ、怒ってそのまま帰ってしまったという出来事を思い出しました。



一方の佐高氏ですが、この人のプレゼンテーション能力というか、人の心を掴むテクニックというものは圧巻です。

毒舌トークはこの人の話しの定番なのでしょうけれど、それをキッカケにしてその場にいる全員の注目を一点に集中させてしまうというワザは、これはもう本当にスゴイものと感じました。

今回も竹中平蔵小泉純一郎を初め、様々な著名人への個人攻撃を展開していましたが、どの話しも筋が通っていると感じるし、何よりも誰にも媚びず一貫性があるこの人の生き方というものは、考え方と違いを超えて多くの人に共感を与えるものでしょう。



[今回のフォーラムを聴講し、改めて“世界を知る力”を読み返してみようと思いました。]


後半には寺島実朗氏の講演があり、これは今回のフォーラムのテーマで最新刊“世界を知る力”に沿ったもので、これもまた非常に興味深く共感できる話しでした。

生まれ変わったらトラックの運転手になりたいと思っている私ですが、寺島実朗の秘書だったら、それでもいいかなぁと考えてしまいますね。


最後にひとつだけ決定的に残念な点について…。
今回のフォーラムは『歴史を知り未来を考える』という主旨のものだったのですが、非常に残念なのは聴講者の年齢が非常に高く(40歳の私はほぼ最年少という感じ)、未来という点ではそれを担保する立場には成り得ない人が多かったことです。

パネラーのパーソナリティからして、興味を持つ人の年齢が高くなるのはやむを得ないことかも知れませんが、その現実からはある意味この国の問題点も見えてくるようにも感じました。


久し振りに参加したセミナー(フォーラム)でしたが、私ももっと沢山の本を読んだり歴史の勉強をしなければと、そんなことを思いつつ熱帯夜の銀座を後にしました。



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