(不本意ながら)iQに見るトヨタの懐の深さ

久し振りにクルマに乗って感動してしまいました。
そのクルマは“トヨタiQ”。


今さらながらですが、今回レンタカーとして初めて乗ってみて、パッケージだけではなくクルマとしての完成度の高さに驚かされ、素直に感動してしまいました。



【今回の出張時に借りていたトヨタIQ。アストンが食指を動かした気持ちが理解できました。】


このiQのどこがそんなに良かったのかというと、

・あの形をしてオトナ3人が大して我慢をすることなく乗れるパッケージ

・そういう稀有なパッケージを持っていることを、少なくとも運転席にいる状況では全く感じさせないこと。

・クルマという機械として非常に良くできており、同価格帯のヴィッツよりも遥かに高性能かつ高級であること。


いやもう、本当にスゴイっす!このクルマ。


さらに細かい評価点を挙げると、

・信じられないほど小回りが利く
 慣れるまでは車庫入れに気を使うほどです。


・リアシートを倒せば、かなり大きな荷室が出現する
 長尺物以外であれば、現実的な生活においてまず困る事は無いでしょう


・NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)の低さ
 確実にヴィッツのそれを遥かに超えています


・走行時の安定性の高さ
 ホイールベースの短さに起因するピッチングや直進安定性への心配は無用!


長距離走行も問題なし
 高速走行時のハンドリング及びエンジンのトルクも必要十分を超えている


・『ハイブリッドなんていらないかも』と思える燃費の良さ
といった感じです。


その一方でマイナス点を挙げると、

・セルの音に幻滅する
 全ての始まりですからもう少し何とか…。多分ヴィッツのそれと同じものを使っているのだと思います


CVTの変速プログラムがマイルド(トロ)過ぎ
 複数のモードを設けて欲しい


・側後方の視界に問題あり
 高速の合流や車線変更時にはかなり気を使う必要あり

などということも有りはしますが、評価点の大きさからすれば、大勢に影響する様な話しではありません。



【太いBピラーの影響で見るからに側後方視界が悪そうですが、本当に良くありません!いすゞのミューのそれを思い出しました。】


輸入車好きの方であればご存知のことと思いますが、このiQをベースにしてアストンマーチンが“シグネット”というクルマをリリースすることになっています。
プレミアムカーを生産するアストンが、排ガス規制への対応とはいえこのiQを見染めたのも理解できます。


どうやらアストンのシグネットは、アストンマーチンのオーナーにしか販売しない様子です。
まぁ分からない話しではありませんが残念な話しですね。


実はアストンのディーラーに知人がいるのですが、さすがに数千万する様なスーパーカーに試乗させてくれとは、なかなか言えるものではありません。
しかしシグネットだったら…。
そしてそのついでに…。


話しをiQに戻しますが、乗ってスグに『この感覚、どこかで感じたことがある…』と思っていたのですが、程なくしてそれが初代のミニであることに気が付きました。
やはりホイールベースの短さが、そう感じさせたのだと思います。
それからバック(後進)の場面に限定すると、フォークリフトの運転感覚にとても良く似ています。


いや〜、とにかく参りましたね、このiQには。
トヨタ車嫌いの私がここまで感激するとは、自分自身でも驚いています。
こういうクルマを作るトヨタの懐の深さというものは、悔しいけれど確かにとてつもないものであると思いましたね。


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